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「上半期ハードスタイルベストテン2016」で上半期のリリースを振り返る

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2016年の上半期にリリースされたHardstyleの中から好きな曲を10曲選んでDJ Mixを作成する企画「上半期ハードスタイルベストテン2016」に参加しました。

続きでMixやレビューめいたものなどを載せてます。

 

都内を中心にHardstyleなどでDJしている胃薬(E.gu-3)さんによる企画「上半期ハードスタイルベストテン2016」は、2016年の1月から6月にかけてリリースされたHardstyleの中から好きな曲を10曲選んでMixを録り、各自6/30にmixcloudにアップするというもので、面白そうなので僕も参加させてもらいました。

今回僕はHardstyleとRawstyleで別にベストテンを録って参加しました。理由としてはRawstyleは日を重ねるごとにオリジナリティ溢れる良曲がモリモリとリリースされているため、それだけで十分ベストテンをまとめる価値があると思ったというのがありますが、とかいって本当はHardstyleとRawstyleまとめて選びきれなかっただけだったりするかもしれません。今思うと結構ずるいことをしたな、、

 

さて、というわけで以下がMixとトラックリストに加え、その解説(というか感想)です。また、アートワークの素材はRimokaさんに作っていただきました。

上半期ハードスタイルベストテン2016 (uniyama Selection)

2016年1月→2016年6月のHardstyleベストテン。アートワークはりもかさんの元素材に、先日Defqon.1を最後にステージへの出演を辞めることを発表したSven(Psyko Punkzの大きいほう)へのリスペクトも込めて勝手にPsyko Punkzを加えさせてもらいました。

01. Frequencerz & Da Tweekaz - Full Control (16/03/30)

Frequencerzが3月にリリースしたアルバム「Medium Rare」に収録されていた曲。カッコイイHardstyleを作る二人組とカッコイイRawstyleを作る二人組による合作というだけで間違い無くカッコイイ事がおわかり頂けると思います。女性ボーカルも相まってとてもEuphoricかつアグレッシブな感じ。Original Mixのリリースが待ちきれずに入れてしまった。

02. Toneshifterz - How Could It Be feat. John Harris (Hardstyle Mix) (16/03/28)

2014年にWE RよりリリースしたEDM/SubgroundっぽいオリジナルをHardstyleに。だいぶ前からDJやPodcastで使われていたりしたのでまだリリースされていなかったの?と思う人が多いかもしれません。実際去年の11月末にPsyko Punkzが来日した時にも使われていて、How Could It Be (Hardstyle Mix)からDoutzenに繋いでいたところとかが本当にドープ体験だった。二人でステージに上がっているうちに生でプレイを観る事が出来たのも今となっては良かった。話がそれてしまったけど、このHardstyle Mixは原曲のブロステップ的サウンドがさらにパワーアップされた感じと、John Harrisのソウルフルな歌声とメロディが相まってめちゃくちゃクールだと思います。

03. Crude Intentions - INSAN3 (Original Mix) (16/05/27)

「Powah!」以来強烈な曲をFoolishからガンガンリリースしているCrude Intentionsですが、5月にTekstyle方面で活動しているRoyal Sと共にリリースしたEPがスゴかった。Royal Sとの合作でチップチューンサウンドを取り入れた「ARC4D3」も面白いけど、ベースミュージックっぽい偏差値の低さもありながら格好いいこの曲もオススメで、バカしつつカッコいいというのが贅沢でいいです。

04. Dr. Rude - Batman Attack (Original Mix) (16/06/06)

2014-2015年の頃のDr. RudeはFeelings 2.0、Bullet Hole、Break The Floor、etc... に見られるようにHard Drop(もしくはアンチクライマックス)押しって印象が強かったんですけど、2016年に入ってからのトラックはエモーショナルであったり、前半でHard Dropしつつ後半をエモく落とし込んだ曲をうまいことやるようになってきてますます強くなりつつある感があります。という意味でRebourneと作ったExhaleもすごく良かったんですが、最近ハマッているこちらをチョイスしました。

05. Headhunterz & Skytech - Kundalini (Cyber Edit) (16/06/14)

ブートレグ枠(?)。Cyberがこの前フリーで公開したEditやMashupのうちの一つで、原曲はHeadhunterzとSkytechが今年リリースしたEDM。公開されたものの中にはDoomedやPsychedelicのEditもあって、CyberのHeady愛が感じられます。なんだかんだHardstyleにEditしちゃうと格好良くなってしまう曲が多いのがHeady。今年のDefqon.1ではDefqon.1 LegendsとしてProphet、Technoboyと共にHeadhunterzが出演するサプライズがあって、最後に泣きながらオーディエンスに思いの丈を伝えるHeadyの姿に全ハードスタイラーがエモくなるという事件が発生したので入れたかったというのもあります。

06. Coone & Hard Driver - It's All In The Game (Official Intents Festival 2016 Anthem) (Extended Mix) (16/05/18)

6月にオランダで開催されたIntents Festivalのアンセム。突き抜けるようなメロディが爽快なHardstyleから最後Rawstyleに転じるところがあまりにも格好いい。今年はRawstyleとHardstyleをクロスオーバーさせたような曲がそこそこ出現していてどっちも好きな自分としてはお得な気持ちになります。あとHardstyle系のアーティストとRawstyle系のアーティストがコラボしてるのもチラホラ見られるようになりましたね。

07. Phrantic - Glowing In The Dark (Extended Mix) (16/01/27)

PhranticがTheracordsからDirty Workzに移籍した後初のリリースであり会心作(だと思う)。Phranticはグロウルベースがモリモリ鳴ってたりダークかつストイックな雰囲気の曲が多いイメージがありましたが、この曲は彼らしいノイジーさがありつつも綺麗なHardstyleでナイスです。去年Omegatypezと作ったParty Like A Rockstar的な良さですね。とか言ってこの次のリリースしたEP(Necromancer / Ac!d)では思いっきり相変わらずな感じでそれはそれで良かったりした。

08. Solstice - Complex Nature (Original Mix) (16/04/12)

最近レーベルでのリリース数が100を超えたX-Boneから。今年の上半期も様々な曲がリリースされていましたが、中でもイチオシなのがこちら。もの凄くエモ良いメロディしてるんですがそれに加えてリバースベースキックからハードスタイルキックに転じる展開も好きです。でも最後のアウトロでいきなりBPMが150から153に変わるのが謎すぎるし困る。DJ各位においてはb2b相手を殺したい時に使うと良いと思います。

09. Wasted Penguinz - Black & White (Extended Mix) (16/04/20)

Hard Dropな曲やRawstyleなどをリリースしやたら挑戦的だった時期もありましたが、最近は改心したのか真面目にEuphoric Hardstyleを作っているWasted Penguinz。It's Our Momentも大好きなんですけどこの曲の少し昔のEuphoric Hardstyleっぽい雰囲気がとてもグッときました。具体的に言うとWildstylez & Atmozfears - What It's LikeとかBrennan Heart & Wildstylez - Lose My Mindみたいな、2011,2012年くらいの感じというか。同じ時期にリリースされていたThe ProphetのDesireもちょっと昔っぽいバイブスがあって良かった。

10. Noisecontrollers & Bass Modulators - Holding On (Pro Mix) (16/06/24)

最後はNCBMの最新曲。Rock Upで鮮烈なコラボを果たしてからというものその動向から目が離せなくなっているNCBM、GlitchのShort Mixが今年の初めに出ただけでそれ以降リリースのほうは特に無かったんですが、6月末にこの曲をリリースすると同時にミニアルバム「Chapter One」の発表とそのカウントダウンを特設サイトで開始。あと10日ばかりですが待ちきれないですね。

 

上半期ロースタイルベストテン2016 (uniyama Selection)

AudiofreqとKutskiをGunz For Hireに置き換え、背景をQapital 2016にしたRawstyle仕様のアートワーク。ちなみにG4HはQapital 2016に出演していません。

01. Jebroer featuring Stepherd, Skinto and Jayh - Banaan (Ruthless Remix) (16/02/05)

TrapのRawstyleリミックス自体とても珍しいと思いますが、この曲は原曲の雰囲気がだいぶそのまま残されているところが面白いです。ていうか人によってはRawstyleじゃないと思うかもしれないですね。僕はキックと特に後半のノリがRawっぽいなと思いました。RuthlessはFreestyle方面のDJなので複数のジャンルを跨いだ感じの曲がもともと多いというのもあります。

02. Notorious Two - Going Under (Original Mix) (16/04/18)

今年の1月に配信されたDigital PunkのPodcast・Unleashedにて突如現れたNotorious Two。後になってThe PitcherとLady FaithによるRawstyleユニットということがわかりましたが、大して情報の無いうちから海外のリスナーが当てていて海外のオタク本当にやばいなと思いました。Notorious Twoとして最初のリリースとなったこの曲はアグレッシブながらもブレイクが(The Pitcherらしい)美しく壮大な感じがとても良いです。

03. Mean Machine - Rise of the Machine (Original Mix) (16/2/22)

Zany, MC Alee, NeophyteによるRawstyleユニットMean Machineによる、MC Aleeのワイルドなボーカルとゴリゴリのキックがあまりにも力強いトラック。同時期にB-FrontとDigital PunkのFor The Girls 2015もリリースされて結構甲乙つけがたかったのを思い出します。

04. Deetox & Break Zero - Rock It (Original Mix) (16/01/05)

Nightbreedの今年最初のリリースだった曲。一応Deetoxが初めてNightbreedから出した曲でもある。ブレイクに使われているボーカルの元ネタはアメリカのロックバンド・InnerpartysystemのDon't Stopという曲で、これがとても格好良く用いられていてお気に入りです。Going Underといいこの曲といい、自分はRawstyleの中でもHard Drop系の曲が好きになりがちっぽいですね。

05. Delete - Dismissed Again (Original Mix) (16/01/20)

DeleteはChainsawのリミックスやQapital EPに収録されていたEmbrace itみたいな狂い放題のRawstyleに加えて、他のアーティストとの合作もバラエティに富んでおり、この半年間リスナーを楽しませ続けていたアーティストの一人だと思います。というわけでこのアーティストだけで推したい曲は沢山あるんだけど、個人的にはこの曲が勢いがありつつ過剰すぎて好きですね。まあDeleteはいつも過剰なんですけど。

06. Malice - Xtermination (Original Mix) (16/05/30)

Gearbox Digitalからリリースされた超ブルータルなトラック。エッジの効いたキックの連打がえげつなくて良く、Deleteの大砲じみたキックとは対照的。こんな感じでRawstyleはキックだけでもアーティストそれぞれの個性が出ていて面白いと思います。Hardstyleのキックにももちろん個性はあると思いますが、なんていうかRawはある程度バカげた音しててもオーケーというかむしろ喜ばれるイメージ。

07. Phuture Noize - The Worlds Beyond (Extended Mix) (16/05/12)

昔からずっと追っていたわけではないんだけどMarco一人になってからのPhuture Noizeの曲はグッとくるものが多いです。Shallow WatersみたいなRawphoric路線の曲が多いのかなと思っていたら3月出していたQuickshotもユニークで良かった。この曲は独特な世界観のあるRawphoricで、Marco自作の溶岩をイメージしたというアートワークも含めて非常に印象的。

08. Adaro & B-Front - Rock Now (Original Mix) (16/05/17)

Roughstateからリリース。グリッチ感のある声ネタのカットアップが差し込まれたカオスな前半からやたらと仰々しい後半へ展開していくダークなトラックで、マッシブなRawを作るAdaroと暗く重たい雰囲気のRawが得意なB-Frontならではの合作になってます。

09. Sub Zero Project & Sub Sonik - Headbanger (Extended Mix) (16/02/29)

個人的にはFunky Shit以降独自の路線でグイグイと頭角を現して行っていると思われるSub Zero Projectと、今年2月にリリースされたM.F. Psychoがヒットし、Darude - SandstormのRawstyleリミックスを公開して話題になったSub Sonikという2組の若手イケイケRawstylerによるコラボ。キックの感じやメロディのノリがやたらZatoxっぽいキャッチーな曲。この曲はSub Zeroの所属するAnarchyからリリースされた曲ですが、一方でSub Sonikの所属するWE RからもRaise Your Fistを一緒に出したりと仲が良い。

10. Frequencerz & Tartaros Ft. MC Jeff - Wolfpack (Original Mix) (16/05/31)

Frequencerzのアルバムにも収録されていた曲で、使用したのは後発でリリースされたOriginal Mix。どちらのベストテンにも収録曲が入り込んでしまうくらいあのアルバムは質が高かったです。JeffのMCとキレキレのリードに高まらざるを得ない一曲。ブレイクがより壮大になったQlimax 2015 Editもあって、こちらも嵐の前の静けさ的な雰囲気にゾクゾクする。

 

長々と書きましたが他にも何名かの方がベストテンに参加なすっていたのでそちらもぜひ聞いてみてください。思っていた以上にカブりがなくて全員それぞれ個性があるのが面白いです。自分もそうでしたが、個人的なベストテンって感じが結構強いと思います。

E.gu-3さん

企画発案者の胃薬さんによるミックス。Raw、Euphoric、Freestyle、オールドスクールなど、上半期のあらゆるHardstyleが凝縮されているベストテン。アートワークのカオスさは頭一つ抜けておられます。ご本人による解説も。

Rimokaさん

アートワーク素材を作成してくれたりもかさんのベストテンはユーフォリックな曲をメインにクールなハードスタイルが入った選曲。りもかさん曰くホームリスナー的選曲になったとのこと。ご本人による解説はこちら

aunyさん

Freestyleめな選曲のaunyさんのベストテン、mixとしても綺麗にまとまっているところがすごい。

Finosさん

ふぃのすさんはRawstyleオンリーのベストテンで、いわゆるRawphoricメインの選曲がなかでも個性的。同じRawstyleベストテンでも自分のものとは雰囲気がだいぶ異なるのが面白い。

Mah!roさん

Hardstyle, HardcoreなどなどのDJとして現在いたるところで活躍中のMahi!roさんのmixは上半期にクラブで聞いて盛大に盛り上がった名曲がギッシリ詰まってます。