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Spoontech Recordsのインタビューを和訳した

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Rawstyleレーベル、Spoontech Recordsのインタビューが今年の10月にhardnewsにて掲載されていたので和訳しました。

 

RawstyleシーンのトップアーティストであるDelete、Regain、Warfaceなどを輩出してきたレーベル「Spoontech Records」のインタビューが今年10月にオランダのHardstyleニュースサイト「hardnews」に掲載されていたので和訳しました。

今年で設立7周年となるSpoontechは、Rawstyleフェスティバル「Fatality」にレーベルとしてのステージを持ったり、レーベルに所属するアーティスト同時をコラボさせたミニアルバム「Spoontechnicians」をリリースしたりと勢いを感じさせました。

日本において一体どれだけのファンがいるのかわかりませんが、新しいサウンドを取り入れつつもレーベル独自のスタイルで活動し続ける彼らのインタビューをぜひ読んでいただけたらと思います。というわけで2017年最後の記事でした。

 

原文記事はこちら

www.hardnews.nl

 

Spoontechインタビュー本編:「たくさんの事がレーベルの中で起こりました」

まずは始まりについて話し始めましょう。Spoontechが誕生したのは2010年。レーベルの誕生についてもっと教えてください。Spoontechという名前は何を意味していますか?

「Spoontechという名前は特別な意味を持ちません。創始者であるVazardとDeleteらの奇妙な脳によって生まれました。彼らはこの名前が、私たちの大規模なマーケティング活動を始めるためのクールな方法だと考えました。誰もがスプーンを所有し、関連付けることができるように…」


レーベルの特色が他のレーベルと大きく異なるのはなぜですか?

「我々は真剣に自分自身について考えることはありません。しかし、私たちはいつも一つの種類のトラックをリリースすることに専念してきました。2010年にレーベルをスタートしたとき、"Harder"なHardstyleをリリースしていたレーベルはほとんどなかったので、主流に合わない独自のスタイルを持つアーティストのためのプラットフォームを作りたかったのです。」


どのアーティストが最初から関わっていましたか。

「最初の段階で、Regain、Delete、Digital Abuse、Warface、Dark Pact、EnigmatoとPrefix & Densityがレーベルからリリースしていました。最も古い二人はVazardとHardstyle Mafiaであり、彼らは7年経った今日も私たちと共にいます。私たちは、共に制作を始め成長していった昔と今のアーティストとの繋がりの感覚を愛しています。」


ここ数年、かなりのアーティストがレーベルに加わり、離れて行きました。どのアーティストがチームに加わりましたか。そして、なぜ彼らはレーベルに合うのでしょうか。

「最近加わった仲間はUnkind、VyralとThe Purgeです。そのすぐ前にはInfirium、Mind DimensionとD-Verzeがいました。彼らは『Spoontechサウンド』を完全に表現していると感じるプロデューサー達です。彼らは『Raw』や少しインダストリアルなサウンドから、Hardstyleの旋律的で感傷的な領域まで幅広く、すべて独自のスタイルを持っています。」


最初から、あなた達はHardstyleのシーンでレーベルを使って新しい動きを始めたことがすぐにわかりました。ファンはSpoontechとすぐにつながったように感じました。何故でしょうか。

「SpoontechはEuphoric Hardstyleが巨大な市場シェアを持っていた時期には新鮮な風でした。それは、音楽愛好家が初期のHardstyleに影響を受けた音楽を見つけることができるレーベルでした。私たちはかなり小さなところから始まってから、レーベルの居心地の良い『インディーズ』愛を通じて結びついた熱心なファンを持っていました。この特別な方法によって私たち全員がお互いに親しみを感じました。」


成功の背景には何がありますか。

「2013年頃に始まった『Rawstyle』の高まりの中で私たちは大いに盛り上がりましたが、私たちは私たち独自の考え方に非常にこだわっていました。私たちがトレンドを追いかけていないという事実が私たちが急上昇しなかった理由ですが、代わりに着実に成長して行きました。トップに早く上り詰めることは私たちの本当の目的ではありません。なぜなら、私たちは自由な時間にレーベルで働く小さなグループであるためであり、かつシンプルにこの音楽をあまりにも愛しているからです。」


もしレーベルでの数年間の中で重要な瞬間があるとしたら、それは何でしょうか。

「私たちはファンと素晴らしい時間を過ごしてきましたが、最も重要なハイライトはクラブ・ローデンバーグでの5周年の祝典でした。これは、レーベルのアーティストとファンが一緒になった瞬間であり、レーベルにとっての転換点になりました。ヨーロッパでレーベルがどれだけ大きくなったのかを示し、私たちが今いる場所のための道を開きました。」


あなた達は短い期間でかなりの名を成しました。しかし、最近少し静かになっているように思います。これは誤解でしょうか。何が起こっていますか?

「誤解ではないです。すべての理由は、過去1年かそれより前の中で起こったことが原因です。Stewart(Vazard)はレーベルのマネージャーを辞任し、John(Main Concernの片割れ)にその座を譲りました。同時に、Gijs(Infirium)はマスタリングエンジニアとしてRyan(Delete)の役割を引き継ぎ、Rick(D-Verze)は計画立案者として経営チームに加わりました。StewartとRyanはまだレーベルの一員ですが、バックグラウンドはもっとあります。しかし、これらすべての変更により、スムーズに活動できるようになるまでには時間がかかりました。」

 

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DeleteやWarfaceのような先駆者たちは、数年前にレーベルを去った後、頂点へと上り詰めました。これはSpoontech周辺の「交信途絶(Radio silence)」と関係がありますか。

「私たちはそれを『交信途絶』とは呼びたくありませんし、それほど悪くはないと思っています(笑)…しかしながら、あなたが言ったようにDelete、Warface、そして最近ではMain Concernのような何人かのアーティストが去って行きました。もちろん、どんなレーベルにもあてはまるように、これは私たちに影響を与えます。新しい若手アーティストにはシーンで彼ら自身の名を売る時間が必要です。新しいマネジメントチームをまとめるとともに、アーティストの成長に多くの焦点を当てました。したがって、オンラインや主要なイベントでの存在感が少し低下しました。しかし、2017年にはDefqon、Decibel、LoudfestやXXleratorなどのイベントでアーティストがプレイしました。近い将来には非常にエキサイティングな新しいプロジェクトを開始する予定ですので、お楽しみに!」


あなたのファンのほとんどはオランダに住んでいて、Spoontechの本拠地はオーストラリアにあります。あなたのレーベルの中核から16,660キロ以上離れていますが、それがあなた達にどのような影響を与えたと思いますか?

「これは私たちに様々な形で影響を与えて行きました。最初は、創業者のVazardとDeleteが、ヨーロッパから遠く離れた場所に住んでいたことはそれほど重要ではありませんでした。レーベルが成長し続けると、ヨーロッパからのブッキングだけでなく、世界の他の部分に焦点を当てたビジネスの大部分の管理においても遠く離れているという事実はより急を要する事実になりました。しかし、今や新しい経営陣全員がヨーロッパに拠点を置き、本部はそこに近接しています。

この状況におけるポジティブな側面は、ヨーロッパやオランダのほとんどのレーベルとは違ったアプローチであるということです。ここ数年はオーストラリアでも注目されていて、VazardとDeleteには母国にふさわしい名声が与えられていて驚きました。」


最近、たくさんの新しいレーベルがHardstyleのシーンに入りました。これは良いことだと思いますか。それとも、レーベルの数が限界に達していると思いますか。

「それぞれのレーベルはHardstyleの様々なサウンドにフォーカスを当てているので、これは難しい質問です。私たちはアーティストから求めているものが見つからないことがあることに気づきました。時には、他のレーベルが私たちに適していると感じられるアーティストをリクルートすることもあります。だから時にはレーベルの数が多いと感じることもありますが、大多数のプロデューサーが私たちのレーベルに当てはまらないだろうし、だからこそ私たちは見込みのある人材を探すのに苦労しています。また、スカウト活動のためにもっと深く掘り下げてやり方を見直す必要もあるのです。あなたの質問に答えるならば、私たちはそれが良いことであるとも、悪いことでもあるとも感じています。」


今夏のFatalityでは、SpoontechとGearboxがうまくやっていましたね。また他のレーベルと一緒に活動しますか?

「我々は間違いなくうまくやっており、過去数年間のファングループ間のオンラインでの論争は明らかに私たちがお互いをどう感じているかを表せていないと思います。レーベルとして、多くのアーティストとともに、私たちは長い間Gearboxとともに活動をしてきました。Theracordsもまた、私たちが長年にわたり良好な関係を持ってきたレーベルです。」


最大の競合レーベルを選ぶとしたらどのレーベルですか。

「うーん、『競争相手』という言葉は時々それが敵であるかのように否定的なトーンを持つことがありますね。しかし私たちは本当にそうは思いません。私たちの最大の競合相手は私たちにインスピレーションを与え、モチベーションを通じて私たちを油断させないままにしてくれます。私たちは多くの競合相手を持っていますが、最も近い相手はGearboxとTheracordsであり、我々が関係の面で最も近いものがあります。私たちは彼らから多くのことを学びました!私たちは顧客に関して戦っているようには思いません。私たちの多くのファンはそれらのレーベルのファンでもあり、彼らが私たちから見つけられないものは彼らが持っているのです。」


Fatalityといえば、去年、あなたはRawのフェスティバルでSpoontechエリアを持っていましたね。まず、それはどうでしたか?

「私たちは望むこと以上のことができました。私たちはビーチで美しい舞台を持ち、その日の大半は太陽が出ていました。その雰囲気はいつも驚くようなものでしたし、Spoontechniciansが一緒になったのはその時が初めてでした。」


もっと頻繁にやりたいと思うような主催でしたか?

「間違いなく、私たちはこのコンセプトの主催を毎年限られた量維持したいと思っています。多くのフォロワーがSpoontechの多くのイベントで叫んでいると知っていますが、それが起こることが特別な瞬間だと確認したいのです。これを皆さんにわかってもらいたい!」


未来についての話をしましょう。これから5年間でどうなっていると思いますか?

「うわあ…インタビューで不安だったことが今私たちを襲いました(笑)。私たちは5年後、私たちのファンの目の前で、私たちのルーツがまだ本物であることを願っています。私たちはまだSpoontechのサウンドを表現するために一緒に働く団体であり、最も重要なのは、私たち全員が楽しむということです。」

 

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最近あなたのソーシャルチャンネルで新しいSpoontechのプロジェクトのようなもののティザーをいくつか見てきましたが、それについて情報を教えてください。

「これはレーベル全体を巻き込んだ刺激的な新しいプロジェクトです。私たちは前の質問で団体について話しましたが、このプロジェクトは実際にそれをテストしました。すべてのアーティストには、他のSpoontechnicianとのコラボレーションの使命が与えられました。彼らの多くは以前に一度も合作したことがありません。彼らにはトラックだけでなくコンセプトの全体的なテーマを表すための3つのキーワードが与えられ、実験が始まりました。
私たちは、アーティストの創造的な心に挑戦することや、彼らがコラボするとは思っていないようなアーティストと合作させることが大切だと思っています。またアーティストとは別に、私たちの素晴らしいデザイナーである『ReeceDesign』と親密に協力して、プロジェクト全体のグラフィックを作成しました。私たちはSpoontechのメンバー全員の間で巨大なコラボレーションを行っています。皆さんがこれをどう思うか、感想が待ちきれません。」


将来の計画はありますか?(アーティスト、リリース、アルバム、フェスティバルなど含む)

「私たちは2017年の終わりに向かって急速に動いていますが、その前に上記のミニアルバムに加え数枚のヘビーなリリースがあります。近いうちに2人のアーティストがアルバムをリリースしますよ!イベント面では今年の冬、オランダのアーティストと協力する予定で、私たちの多くのアーティストを見つける事ができると思います。
2018年のために私たちが用意しているものはまだ伝えられませんが、最近の静寂を補うだろうと思います。」

 

ありがとうございました!